雪国を生き抜く知恵が詰まった 南部裂織の伝統を後世に繋ぐ  

裂織とは、布を裂いて緯糸にする機織りのひとつの技法です。江戸時代、雪国では綿の栽培は難しく、木綿はとても貴重 でした。布は大切に使われ、最後には裂いて地機で織り込み、夜着や仕事着、帯、前かけなどをつくりました。  

南部地方(青森県東部)で発達した南部裂織で代表的なものといえば、こたつ掛け。赤を基調に五原色をふんだんに使った格子模様と、赤い覆輪で周りを縁取る派手なデザインが特徴です。この赤色は火伏せの役割があるとも、昔の暗い部屋を少しでも明るくしたいという思いを込めたともいわれています。  

戦後一度は織られなくなった南部裂織ですが、1975年に南部裂織保存会が発足。十和田市にある工房には約 75台の地機がずらりと並び、教室や体験を通して南部裂織の普及と伝承活動を行なっています。今や県内を中心に 全国各地に170名あまりいる会員とともに製作するアイテムは、ポーチやペンケースなどの小物からバッグやリュックといった大きなものまで種類豊富です。眠っている布にもう一度息吹を与える南部裂織は、先人が生んだ究極の 「アップサイクル」。南部裂織を身につければ、環境との調和にも意識が向いてくるはずです。 

南部裂織保存会/大橋 陽子

〒034-0051 青森県十和田市伝法寺字平窪37-21 「南部裂織の里」匠工房 

E-mail: nanbu@sakiori.jp 

https://sakiori.jp